へだちの備忘録 RSS

Archive

Oct
13th
Mon
permalink

横井軍平氏の「ものづくり」 ~無限のアイディアが追い続ける「ものづくり」

http://ameblo.jp/kouic-t/entry-10150263488.html

私はCGいうのは、「HOW TO PLAY」を教えるものだと思っている。例えば、ミッキーマウスを操作してずっと来て、ぶつかったものが非常に奇麗なものだと味方だと思ってしまう。実際は敵なのに。だからこれを恐ろしい映像にすることによって、説明書無しにこれを避けて行こうと思うわけじゃないですか。こういう目的で、ゲームのCGを昔は考えたんですよ。

ゲーム&ウォッチのゲームを考える時に、まずは●とか■とかでどういう事をしたら面白いかを考えるわけですよ。つぎに、その映像を何に置き換えるかという時に、どうしたらそれを説明書無しに理解することができるかという「HOW TO PLAY」をキャラクタに置き換えるのです。それが本来のゲームの姿なんですよ。

今は、そのキャラクタだけが先走りして、後でゲーム性がついていってるから、ちょっとやったら飽きてしまうゲームが多いんですよ。ゲームをやり始めた ら、そこにはキャラクタも色も必要無い。だから、私はそういう理念を持っているからゲームボーイを作る時に絶対にカラーにしなかったんですよ。カラーにす る必要はない。



■ゲームボーイが白黒である理由
カラーって言うのは面白いもんでね、概念的に見えるものなんですよ。黒板にチョークで雪だるまの絵を描いたら誰が見たって白く見えるんです。そういうも のなんですね、色っていうのは。それが白黒とかカラーとかいう話が出てくるのを聞いていると、昔、美智子様の結婚式の時に白黒のテレビがカラーになって大 ヒットしたと。だから白黒のゲームボーイをカラーにするとそうなるという変な結び方をするんですね。私はそうじゃないと思う。

どこが違うかというと、テレビというのは情報機器なんですよ。情報機器というのは、例えばニュースで「青森でこんな真っ赤なりんごが取れました」という ことを知らせるには色があった方が良いと思うんです。しかし、ゲームの世界では、りんごが赤であろうが青であろうが関係無いんですよ。それはりんごの絵を 描けば殆どの人が赤に感じてくれるわけですから。

単にぱっと見た時に派手さがあるというメリットがあっても、本当に必要なものではないと私はゲームの中の色やキャラクタに思うんですよね。だから、それ を同じ値段でカラーがついたり、細かく出来たりすればそれに越した事はないです。でも、そのために値段が高くなるというデメリットの方が大きいということ ですよ。

ゲームボーイポケットをカラーにするという話は、何べんも起こりました。いつも私が「無駄なことは止めとけ」と言って。ゲームボーイを作った時、当然私 たち技術者の中でもカラーにするかどうするかという話は出てきた。例えばカラーを出した時、値段がどうなってどのくらいのデメリットがあるかを考えたら、 絶対に必要ないものであると思いました。だから、私は頑としてカラーにさせなかったんですよ。

で、発売して。絶対にどっかの会社がそういう事を知らずにカラーを出してくるよ、と言ってたら本当に出てきたんですよ。最初見つけた人間が顔色変えてき ましたよ、「カラーで出てきた、えらいこっちゃ」って。でも私は、「えらいこっちゃじゃ無くて、良かった良かった」って言いましたよ。ゲームボーイの時に 一番怖かったのは、モノクロであのシステムを出されたらそれは強敵やな、と思いました。だけど、あそこまで確立してしまったらどこも出来ないですよね。

■面白さにカラーは必要ない
面白さはカラーである必要はない。例えば碁盤を見て、ある人が碁を考えついた、「これは新しいアイディア」だと。これで将棋もできると考えたらこれも新 しいアイディアなんですよ。オセロもできるとかチェスもできるとか。これがゲームの考え方なんです。しかし、これ以上新しいことを考えられなくなったか ら、何かないかなって。そしたら「えい、碁の白黒が地味だから赤青にしよう」と、これが今カラーがついてるのと同じなんですよ。赤青になったら白黒よりは 奇麗かな、と思うけどゲームの本質は何も変わっていない。先ほどの、キャラクタをどう書くかという話ですが、私が例えば将棋にキャラクタ載せなさいって言 われたら何をするかというと、コマの進む方向に矢印を印刷しますよ。「HOW TO PLAY」それでわかりますよ。それがキャラクタだと私は思います。

■今は・・・
しかし、ゲーム市場全体がそういう方向に動いているから、マニア化しているから。ゲームといっても本当はグラフィックスを追いかけるようになってるんで すね。だから作る方も買う方もみんなそうなっているのでしょうね。だけど、それをやってしまうと後でやることが無くなるよ、って思いますけどね。

私は、ファミコンが出てきてスーパーファミコンが出てきた時に、これは先が不安だなと思いました。だから、これをいかにして違うことをやろうかなという のが私の念願でした。はっきり言ってファミコン時代、いわば 8ビットは、おばちゃんからおじちゃん、子供までみんなが楽しめたゲームなんですよ。それが、だんだん難しくなってマニア化していって16ビットになり、 32ビットになって。私にだって遊べないですよ、あの格闘ゲームは。どう操作していいのか分からない。そういう形でマニア化していってるんですよね。そう すると以前100いたユーザーが、恐らく50になってしまった。だた、50の人間が以前の3倍くらいのお金を使っているから、なんとなく市場は広がってい るように感じられるけど、絶対人口は少なくなっているはずです。そんな事をずっと続けていったら先細になって終わってしまうから、何かもう一回、かつての 100の人間を引き付けなければいけない。そういう「ものづくり」をしなければいけない、と思って作ったのがバーチャルボーイだったわけですね。